からだのしくみ
後頭下筋群とは?頭のこわばりと目の疲れの意外な関係
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)とは、頭と首の付け根の奥にある、4対の小さな筋肉のことです。頭を細かく支え、姿勢や視線の微調整を担っています。デスクワークやスマホで頭が前に出た姿勢が続くと固まりやすく、首の付け根のこりや頭のこわばり、目の疲れと関わるとされる部位です。私が施術で最も丁寧にほぐす場所のひとつです。
後頭下筋群とは、どこにある何の筋肉ですか?
後頭下筋群は、後頭骨(頭の後ろの骨)の下、首の一番上の骨(頸椎)とのあいだに位置する、左右4対・合計8つの小さな筋肉の総称です。名前のとおり「後頭部の下」にあり、うなじの奥、頭蓋骨のキワにあたります。
大きな筋肉のように力強く体を動かすのではなく、頭の位置を細かく支え、微妙に傾けたり回したりする「微調整」を担当しています。姿勢を保つあいだ、静かに働き続けている筋肉です。
構成する4つの筋肉は次のとおりです。
| 筋肉の名前 | おおまかな働き | | --- | --- | | 大後頭直筋 | 頭を後ろに反らす・回す | | 小後頭直筋 | 頭の細かな安定を保つ | | 上頭斜筋 | 頭を傾ける動きを支える | | 下頭斜筋 | 頭を左右に回す |
なぜ後頭下筋群は目の疲れと関係するのですか?
意外に思われるかもしれませんが、後頭下筋群は目の動きと連動していることが知られています。私たちは視線を動かすとき、無意識に頭もわずかに動かして視野を安定させています。この「目と頭の連携」に、後頭下筋群が関わっているとされます。
そのため、パソコンやスマホの画面を長時間見つめて目を酷使すると、目だけでなく後頭下筋群にも負担が積み重なりやすいと考えられています。「目が疲れると、首の付け根や後頭部が重くなる」という感覚を持つ方が多いのは、こうしたつながりが背景にあると考えられます。逆に、後頭下筋群のこわばりが、目の奥の重さや頭全体の張った感じとして感じられることもあります。目・首・後頭部は、それぞれ独立しているようで、たがいに影響し合っているのです。
スマホやデスクワークで後頭下筋群が固まるのはなぜですか?
画面を見るとき、多くの人は無意識に頭が前へ出た姿勢(いわゆる前傾・ストレートネック気味の姿勢)になりがちです。頭は体重の約1割にあたる重さがあるとされ、前に出るほど、それを後ろから支える首の付け根の筋肉に負担がかかります。
後頭下筋群は、その前に倒れようとする頭を後ろから引き止めるように、緊張し続けることになります。動きの少ない緊張が長く続くと、筋肉は血のめぐりが滞りやすくなり、固まった感じ(こり)として自覚されやすくなると考えられています。ずっと軽い荷物を持ち上げたまま腕を止めているような状態を、首の付け根で続けているイメージです。次のような習慣は、負担を積み重ねやすいと考えられます。
- 長時間、同じ姿勢で画面を見続ける
- 頭が前に出た姿勢のまま作業する
- まばたきが減り、目を凝らし続ける
- 休憩をとらず、視線と首を動かさない
後頭下筋群のこわばりに、自分でできるケアはありますか?
医療的な治療ではありませんが、日常でこわばりをためこまないための一般的な工夫として、次のようなことが挙げられます。
- 30〜60分ごとに画面から目を離し、遠くを見る
- 首をゆっくり回す、うなずくように前後に動かす
- 頭が前に出ていないか、ときどき姿勢を見直す
- 目を温めて、目のまわりをゆるめる
ただし、強く押しすぎたり、痛みを我慢して無理に伸ばしたりするのは避けてください。首の付け根はデリケートな場所です。強い痛みやしびれ、めまいなどがある場合は、セルフケアを続けず、医療機関にご相談ください。
ヘッドスパで後頭下筋群をほぐすと、どう感じられますか?
森の日々 premium のドライヘッドスパは、髪や頭皮を濡らさない乾いた状態のまま、頭蓋骨のキワ・後頭下筋群を中心にほぐしていくオリジナルの手技を大切にしています。この部位は自分ではさわりにくく、力の加減も難しいため、施術で丁寧にゆるめていく意味があると感じています。
施術を受けた方からは「頭が軽くなった」「視界がすっきりした気がする」といった感想をいただくことが多くあります。これは効果を保証するものではありませんが、固まりやすい部位がゆるむことで、そうした心地よさにつながっているのだと考えています。強くもみほぐすのではなく、優しいタッチでこわばりをほどいていくのが、当店の考え方です。
まとめ
後頭下筋群は、頭と首の付け根にある小さな筋肉群で、頭を支えながら目の動きとも連動しています。スマホやデスクワークで固まりやすく、首の付け根のこりや頭のこわばり、目の疲れと関わるとされます。小さくても、毎日の姿勢の影響を受け続けている筋肉です。まずは姿勢と休憩を見直すこと、そして自分では届きにくいこの部位をときどきゆるめてあげることが、心地よく過ごすための第一歩になります。なお、ヘッドスパは医療行為ではありません。強い痛みや不調が続く場合は、医療機関にご相談ください。